top of page
検索
  • 執筆者の写真itopitoshima02

筑肥線から見る”イトシマ”

 みなさんこんにちは、さんほといいます。石川県出身です。日本の地図をかくときは能登半島までちゃんとかきます。最近の悩みは最寄りのスーパーのアイス売り場が小さすぎることです。普段iTOPではゼロから伊都に所属して、mulberry houseという古民家カフェのリノベーションを手掛けています。今日は少しiTOPの活動からは離れますが、僕の趣味について書きたいと思います。


 突然ですが、みなさん筑肥線には乗られますか?「通勤通学で使っている」「風でよく止まるよね」といった方から、「103がいつ引退するか気になる」なんていう僕のような鉄道ヲタクの方まで、いろいろいらっしゃると思います。九州に来ると決まった時、僕は水戸岡鋭治先生がデザインを手がけたJR九州のカラフルな特急列車や観光列車が毎日見れる!!と思って期待に胸を膨らませていました。しかし、主に使うのはほぼほぼ普通列車しか走っていない筑肥線…。正直がっかりした部分もありました。ですが、そんなはじめは地味に思えた筑肥線の良さが、最近だんだんわかってくるようになったんです。


 筑肥線を走る電車は、すべてロングシートと呼ばれる横に長いベンチのようなシートになっています。この座席のスタイルは、詰め込みが効くので、主に乗客が多い大都市を走る電車に採用されることが多いです。多くの乗客を乗せて、都会の通勤輸送を支えている反面、走っている区間の特性上、長時間乗車する乗客のことは考えられていないため、長く座るにはあまり向かず、鉄道ファンや旅人界隈からは嫌われがちです。


 ですが、ロングシートに座れば正面に窓を見ることができます。それもかなり大きめの窓です。景色を見るときに首を動かさなくてもいいので、僕は結構ロングシート好きです。特急列車のふかふかのリクライニングシートから見る景色も最高ですが、ロングシートの車両で、特に自分の向かいに乗客が座ってない時なんて、自分一人で窓を独占しているように感じられて、すごい優越感に浸れます。


 筑肥線はそんなロングシートの車両の大きな窓に映る景色も最高なんです。全国的にみても、筑肥線のように、ロングシートで四季を感じられる“通勤路線”というのは、そうそうないのではないでしょうか。春には瑞梅寺川の桜が咲き誇り、少しすると波多江や加布里~筑前深江の辺りで麦が実ります。下山門~今宿の玄界灘はいつも穏やかで、青く澄んでいます。秋には再び田んぼで稲穂が色づき、背振の山々は紅葉の時期を迎えます。福岡に住み始めてからまだ積雪を経験していないのですが、北陸で生まれ育ち、雪が大好きな僕としては、ぜひとも卒業までに雪景色も見たいなって思います。もはや筑肥線の窓は大画面の4Kテレビですね。唐津まで乗り通しても1時間ちょっと。ロングシートでもギリ耐えれる時間のような気がします。



 沿線人口の減少、自然災害による路線の分断・不通、新型コロナウィルスに伴う異動需要そのものの減少など、九州の鉄道を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。筑肥線の姪浜~唐津間は、大都市福岡への通勤輸送と、福岡と唐津を結ぶ都市間連絡という二つの使命があり、ほかのローカル線に比べれば、まだこれからも存続するだろうという見込みがあるかとは思いますが…。観光路線としての筑肥線の価値がもう少し見直されてもいいんじゃないかなーって思います。皆さんもスマホからちょっと目をそらして、車窓ながめてみんけー?




閲覧数:433回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page